今回は、英語学習の出発点であり肝でもある「英文法」をどのようにして習得していくか?についてお話します。
文法と聞くと、英会話などと違って「つまらなそう」「退屈そう」といったイメージがあり、あまりやる気が出ないかもしれません。
その気持ち、すっごくわかります(笑)
でも、英会話をするにも、リスニングをするにも、ライティングをするにも、もちろんTOEICで高得点を取るためにも、すべての土台となるのが文法です。
文法があやふやなまま、闇雲に英会話教室に通っても、TOEIC対策をしても、はっきり言ってザルに水。意味がないとまでは言いませんが、効果が出にくいです。
逆に、文法がしっかりマスターできていると、その後の英語学習のスピードが格段に上がります。帰国子女じゃないのに英語が出来るという人は全員、文法がしっかり身についている人です。
以下では、わたしがどのような手順で文法学習を進めていったかを具体的に解説します。
目次
目次をコピーして全体像を把握
まず教材として、英文法テキストを1冊用意します。
どんなテキストが良いのか?ですが、これは自分の目で見て気に入ったものが一番。
書店の英文法コーナーで「これならやる気出そう!」という参考書を見つけてみてください。
選ぶポイントを挙げるとすれば、「練習問題が多いこと」「あまり厚すぎないこと」の2つですね。
文法は、ただ説明を読むだけでは中々頭に入らず、簡単な問題演習をこなすことで徐々に要領をつかんでいく、という流れが一般的です。また、内容が薄っぺらでも困るのですが、あまり詳しすぎても挫折する危険性が高まるのでおすすめしません。
ちなみにわたしはこちらの本を使いました。厚さとしてはこれくらいがMAX限界かな~という感じですね。
そして無事に、相棒となる文法テキストをゲットしたらすぐやるべきこと。
それは、「目次をコピーすること」です。
なぜか?
それは、「英文法の全体像を把握するため」です。
大抵の英文法のテキストは、全部で24章くらいに分かれています。
24章
うわあ…って感じですよね。
最初はやる気満々でスタートする方が多いと思うのですが、「よーし、英語の達人になるぞ!」と気合だけで1章からコツコツ読んでいく・・・というやり方をすると、よほど忍耐強い人でない限り挫折してしまいます。
このパターンを回避するため、まずは目次だけをコピーして全体を眺めてみましょう。
すると、いくつかのブロック(グループ)に分けられそうなことに気づくはずです。
「この辺はあんま重要じゃなさそうだな」
「不定詞と動名詞と分詞はつながってる。関連性を意識しながら勉強したほうがいいかも」
「真ん中らへんの章がメインっぽい。ここは時間をかけて理解するようにしよう」
と、こういった感じで、最初に英文法学習のロードマップを頭の中に描くことがとても重要なのです。
そうしていくうちに、あら不思議。
途方もない量に見えた24章が、「あれ?意外とイケそうじゃん?」と思えてくるのです。
コピーした目次は折りたたんでしおりとしてずっと使用していきます。どこまで進めたか忘れるのを防止すること、そしてなによりいつでも「全体像」を確認できるようにすることが目的です。
また、学習済みの章の横にチェックマークを付けていくようにすると、自分の現在地(どれくらい学習が進んでいるか)をいつでも把握することができて便利です。
ブロックごとにテキストを解体
目次で全体像を把握したら、次は「ブロックごとにテキストを解体」していきます。
ひょっとして今、「え?まだ勉強始めないの?」と思われたかもしれません。ごもっともな疑問です。
でも、ちょっと聞いてください。
英文法は、ご存知のとおり1日2日で身に付けられるものではありません。1日1章進めても1周するのに24日かかります。とすると通常は、文法テキスト1冊仕上げるのに最低でも1か月は必要ということになります。
こうした長丁場の学習を乗り越えるためには、「いかに勉強しやすい環境を整えるか」という下準備が意外と大切だったりします。ひと手間加えるだけで挫折を防ぐことはもちろん、学習の効率も段違いに上がりますので、ぜひこの「下準備」の部分も大事にしていただければと思います。
では話を戻しますね。
テキストの解体の方法は簡単で、文法のブロック(グループ)ごとにカッターで解体し、背表紙部分にお好みの製本テープやマスキングテープを貼るだけです。
「どこで分ければよいか迷う!」という方もいるかもしれませんので、わたしはどのようにグルーピングしたかお伝えしますと・・・(※上記でご紹介したチャート式の目次です)
①第1章 文の種類 ~ 第5章 助動詞
②第6章 動詞の態 ~ 第12章 仮定法
③第13章 時制の一致と話法 ~ 第16章 無生物主語・名詞構文
④第17章 接続詞 ~ 第24章 前置詞
という感じで4つに分解しました。そして、
『②が一番重要なグループなので、気合を入れて学習。ここが勝負どころ!
でも②の文法事項を理解するためには、①の知識が前提となるのでここもしっかりめに押さえるように。
③、④は①や②に比べると重要度が下がるのでサラッと。』
という戦略を立ててから勉強を始めました。よろしければご参考に!
解説を読んで問題を解く
英文法の全体像をつかみ、学習のイメージが出来上がったところでいよいよスタートです!
やることは非常にシンプル。解説を読む→練習問題を解く→答え合わせと順番に進めていくだけです。
どのくらいのペースで進めていけばいい?
これは人によって生活環境が異なるので一概には言えないですが、基本的には「1日1章」ペースで進めていけると順調ですね。
ただし、「不定詞」「比較」「関係詞」「仮定法」あたりは量が多いうえに内容も濃いので、2、3日に分けたほうが良いでしょう。
「気が向いたときにやる」スタイルだと、前回勉強したところを忘れてしまっていたりして非効率的(最悪フェードアウト…)なので、やっぱり「意地でもこの1ページだけは読む!」みたいな感じでとにかく毎日継続するのが理想です。
解説を読んで理解できない項目はどうする?
テキストの解説を読んでもイマイチ意味不明・・・そんなときは、まずネットで検索してみましょう。いろんなサイトが見つかると思います(その際、ネットサーフィンに移行してしまわないように注意ですw)。
それでもなんだかスッキリしない・・・という場合はどうするか。
その文法事項が重要グループ(上記の①or②)の重要項目であれば、中学生用(高校受験用)の文法テキストを参照する、というのも手です。※「全体的に中学レベルの文法が怪しいかも・・・」と思われた方は迷うことなく中学レベルの薄い文法問題集を1冊仕上げてください。
もしそれほど重要でなさそうであれば、「そういうもんなのね」でスルーしてよいです。
特に冠詞とか名詞あたりは非ネイティブ学習者にとっては永遠のテーマと言ってもよいくらい難しい部分です。なので、こういうところで時間をかけないようにするのも大事ですね。
問題演習の流れは?
解説を一通り読んだら、練習問題を解いていきます。何度も使いたいので、答えは直接書き込むのではなく、ノートやチラシの裏(笑)とかに書くようにしましょう。
途中で「わからん・・・」という問題に出会った場合は、解説をもう一度読んでみてください。
それで正解が分かればよし、分からなければ次の問題に進みます。
全部解き終わったら答え合わせです。その際、テキストの問題番号近くに鉛筆で以下のように印を付けていきましょう。
①解説を見て正解した問題 → △
②解説を見たけど不正解だった問題 → ×
③解説を見ずに正解した問題 → 印なし
そして②については、解答の解説をチェックして理解するようにします。ただし、前述のように「非重要かつ難しい」項目については答えを確認して「そんなもんなのね」でOKです。
2周目以降は印が付いている問題のみ解く
こうして一旦すべての章の学習が済んだら、1周目のときに「△」または「×」印を付けた問題のみ解いていきます。
印の付け方は1周目と同じ。
2周目では解説を見ずに正解できた場合は、印を消します。消しゴムで消してもいいし、面倒であれば鉛筆で二重線を引いてもよいでしょう。
それ以外の場合は、1周目のときの印の横に「△」または「×」を書きます。
例えば、”1周目は「×」(解説を見たけど不正解)、2周目は「△」(解説を見て正解)”という場合は、テキストの問題番号の横に「×」「△」が並んで書いてある状態になりますね。
こんな感じで印がなくなるまで1冊のテキストを回していけば、文法はバッチリです。(ただし、非重要グループでいくつか印が残っているくらいであれば一旦「卒業」でよいですよ。)
あとはリーディングやリスニングの実践あるのみですね♪
まとめ
今回は、わたしの英文法学習の進め方をシェアしました。
英文法が固まっていれば、英文を読んでも意味が取れるので、学習自体が楽しくなります。リスニングも、発音をちょっと勉強すればどんどん聞き取れるようになっていきます!
完璧主義にはならないようリラックスしつつ、”練習問題=クイズ”のような感覚で楽しく文法をマスターしていってくださいね。