今回は、リーディング力を身に付ける3ステップの手順をお伝えします。
リーディングは、学校教育で最も重視されている分野なので、基礎はもう身に付いているという人も多いかと思います。その場合、今回の内容は読み飛ばしていただいても構いません。
逆に、「学校の英語の授業はほとんど聞いていなかった」「英語が苦手だった」「基礎から英語を勉強し直したい」という方にはまず読んでいただきたい記事になります。
それでは、STEP1から始めます!
目次
STEP1: 基礎文法をマスターする
英語で一番大切なものは文法です。
文法はリーディングのみならず、リスニング、ライティング、スピーキング全ての土台。
まずはここから手を付けましょう。
具体的には、書店の「英文法」コーナーで選んだ参考書を1冊仕上げます。
いろんなテキストが出ておりますが、内容は大差ないのでフィーリング(これだ!とピンと来たもの)で選んでいただければOKですよ。
1日1章、①説明文を読む→②練習問題を解く→③答え合わせをして間違えた問題の解説を読む、という流れで進めていきましょう。
こういった「シンプルなことを淡々と続ける」ことが英語学習の成否を握ります。
詳しくはこちらの記事に書いております。
学習における注意点:完璧主義を捨てる
- 英文法には、
- 1.最初に必ず押さえておくべき重要事項
- 2.重要だが後回しでよい事項
- 3.それほど重要ではない事項
- があります。
- 具体的には、以下のとおりです。
- 1.= 5文型、完了形、助動詞、不定詞、動名詞、分詞、関係詞
- 2.= 1と3以外
- 3.= 名詞、冠詞、前置詞、形容詞
- なお、どんなに気合があっても、第1章から完璧にマスターしようとするのはやめましょう。ほぼ100%挫折します…(経験談)
上記の1以外の項目は、最初のうちはさらっと読んでおけばOKです。
- 「英語を自由に使いこなすための土台」は、1の重要事項をマスターしてもらえれば大体網羅できたことになりますので安心してください。
- 2は、1をマスターしていれば後からいくらでも身につけられますから、まずは1の文法事項をしっかり理解することに集中しましょう。
わたしが使った参考書
- 参考までに、わたしが使った英文法参考書をご紹介します。
- 文法はこれ1冊しか使ってません。
STEP2: 基礎単語を頭に入れる
重要な文法を理解できたら、基本レベルの単語帳を1冊仕上げましょう。
リーディングの練習をしようとしても、意味を知らない単語ばかりが並んでいてそのたびに辞書を引いている状態では非効率ですし、フラストレーションもたまりますからね。
「1冊仕上げる」というと大変そうに聞こえるかもしれませんが、実は、文法を勉強しているうちに(例文を通じて)基本単語は結構「見たことある」レベルにはなってたりします。
やっぱり、「これ、どっかで見たことあるな」という単語は全く初見の単語よりは頭に入りやすいものです。
とはいえ、文法書には出てこないけど絶対に覚えておくべき単語というのももちろんあります。
では、どうすれば最短で基礎単語が頭に入るのでしょうか?
ポイント:1日にできるだけ多くの単語を「見る」!
短期間で大量の単語を覚えるには、1日に見る単語の数を可能な限り増やすことが重要なポイントです。
目安としては、1日大体50〜100語くらいです(もちろんこれ以上見るに越したことはありません)。
気をつけていただきたいのは、
・頑張って覚えようとしない→「見る」ことが大事
・書いて覚えようとしない
→書く時間があるなら他の単語を見る(先のページに進む)or文法の復習をする
この2点です。
「覚えようとしないで覚えられるの?」と思われるかもしれません。
これはその通りです。
でも、問題は「覚えようとしたら覚えられるのか?」ということなのです。
たかだか1、2回見たことある英単語を覚えられる人なんてそうはいません。
「何度も繰り返し目にして、脳に記憶を刷り込ませる」というプロセスがどうしても必要になってきます。
1日10語を必死に覚えようとすれば、その日のうちは覚えてるかもしれません。
でも、その1週間後にいくつ覚えているでしょうか?
おそらく2、3個というところではないでしょうか。
それよりも、1日では覚えられないと割り切って、単語帳全体を見る“回転率”を上げることで少しずつ単語の記憶が定着していきます。
騙されたと思って、この「見るだけ単語暗記法」を取り入れてみてくださいね。
おすすめの単語帳
いろんなところで絶賛されているのでご存知の方も多いかと思いますが、DUO3.0は基礎単語を頭に入れるのに最適の単語帳です。
わたしが大学時代に塾講師のアルバイトをしていたとき、DUOを教材として活用していました。
DUOの特徴は、短文の中に重要単語が自然な形で散りばめられていること。
ただ単語そのものを覚えるのではなく、その単語が実際の英文の中でどんな風に使われるのかを同時に学ぶことができるのでとても効率が良いです。
そして、DUOを使うのであれば是非取り入れていただきたい単語暗記法があります。
それは、名付けて「なりきり音読法」。
例えば37頁にこんな例文が載っています。
You are not allowed to operate this device without permission.
(日本語訳:許可なくこの装置を操作することはできません。)
各単語(allow, operate, device, permission)の意味を確認したら、「自分は工場作業員であり、新人(後輩)に指導しているつもり」になって音読してみます。
つまり機械が並ぶ作業場で、作業服を着た自分が、新人作業員に「許可がなければこの装置を操作できないんだよ」と教えている場面を想像しながら声に出して読む、ということですね。
そして、1回でも良いので、テキストから目を離して何も見ないで暗唱してみましょう。
こんなに短い文ですが、最初は「あれ、次何だったっけ…」と思うかもしれません。(わたしは2、3回テキストを見てしまうことはザラでした。)
「”装置”っていう単語、今見たやつ!何だっけ? あー思い出せない!」
というところでテキストを見て「そうだ、”device”だった!」と思い出す
という経験が、記憶をより強固なものにしてくれます。
これは経験上、非常に効果的な方法です。単語力だけでなく、英語力全体の土台を知らず知らずのうちに築いていくことができます。
この方法を「気づいたら例文ごと覚えちゃってた!」という状態まで繰り返したらもう基礎単語(TOEICでいうと900点前後まで)はバッチリです。
もちろん他の単語帳は必要ありません。
STEP3: ひたすら短めの文章を訳す
文法と単語の基礎がある程度固まったら、あとは実践あるのみ!です。
いきなり長文に挑戦するのではなく、短めの文章をたくさん読むようにしましょう。
また、最初のうちは「日本語に訳す」という作業を入れることをおすすめします。
和訳というのは、日本の英語教育の悪しき慣習として語られることもありますが、わたしは
「正しいやり方をすれば、和訳は基礎力の養成に効果的」
だと考えます。
正しいやり方というのは、「自然な日本語に訳そうとしない」ということです。
例えば、以下の例文を見てください。
The bad weather made us put off the picnic.
*put off = 〜を延期する
*make[人]… = [人] に…させる
これを学校では
「悪天候のため、私たちはピクニックを延期した。」
などと訳すよう教えられるかもしれません。
でも、この文は
「悪天候は私たちにピクニックを延期させた。」
で良いです。
日本語としては多少不自然かもしれませんが、大事なことは「美しい翻訳をすること」ではなく「英文の意味を正確に理解すること」ですよね。
最終的には日本語を介することなく英語のまま読めるようになるのが理想ですが、最初のうちはこういう「直訳調」の和訳の数をこなすことを意識していただければと思います。
そうすることで「英語をきちんと理解した!」という経験を積み重ねていきましょう。
「わかったつもり」になって適当に読み流した100の英文より、「徹底的に理解した」10の英文のほうが、後々揺るぎない基礎力となってあなたの英語学習を加速させてくれます。
わたしが使った参考書
わたしは高校時代、こちらの参考書を「1日1文」和訳していました。これ1冊だけでも相当力がつきますので、よろしければお試しください。
まとめ
今回は、「本物のリーディング力を養うための3ステップ」についてお話ししました。
①英文法(細かいことは後回しでOK。基本を押さえることを重視しましょう)
②単語(1回で覚えようという無謀な挑戦をしない。「さらっと何度も」が効率よく大量の単語を頭に入れるコツです)
③リーディングの実践(短い文章をきちんと理解することで力が付きます)
以上の3ステップを自分のペースで進めていきましょう。
これらは英語学習全体の土台ですので、決して焦ることなくじっくり取り組んでいただければ幸いです。