転職

仕事を辞めることは逃げること?引き止めに揺れないメンタルをもとう

わたしは新卒で公務員になり、その後翻訳会社へ転職しました。

正直、少し前までは「自分は一生公務員として生きていくんだろうな」と思っていました。人生って予想できないもんですね。

超安定志向のわたしにとって、公務員を辞めるというのはそれなりに思い切った決断でしたので、結論を出すまでにはいろんなことを考えました。

公務員試験のために高いお金を払って予備校に通い、1日10時間くらい勉強してやっと合格できたのに、自分は本当に後悔しないのだろうか?公務員を辞めてしまったら人生がめちゃくちゃになりはしないだろうか?等々、さまざまな葛藤がありましたね。

今回は、そのときの経験を皆さんとシェアしたいなと思います。

辞めようと思ったきっかけ

入庁4年目の異動が転機でした。

新たに直属の上司となった女性が、とにかく性格のキツい人だったのです。。

仕事に慣れることに四苦八苦するわたしに対し、

「まだ進んでないの!?」「あなた、それでも3年間仕事してきたの!?」

と詰問・叱責が繰り返される日々が続きました。

朝、「おはようございます」と声を掛けても無視。彼女はこちらを見向きもしません。

質問をしても「そんなの私、知らないわよ」「それはあなたの仕事でしょ」と一蹴されます。

普通に話しているだけなのに、常に鋭い視線で睨まれ、高圧的な態度を崩さない上司。

「私があなたくらいの年齢のときはもっと大変だった。上司は何にも教えてくれないし、21時に仕事が終わることなんてめったになかった。月100時間残業は当たり前だった」みたいなこともよく言っていましたね。

GW明けに「あなた、休み中に会社に来た?」と聞かれたので「来ていません」と答えると

「わたしは若い頃、異動したてのときは来てたわよ。仕事、終わってるの?来なくて間に合うの?全然進んでないでしょ?他の若い子はこっそり来てるの。少しは考えなさい。私の言いたいことわかるでしょ?」

と凄まれたこともありました。

わたしは「こんな人の下では働けない」と思う一方で、

「こういう態度をとられるのはわたしが仕事ができないせいなんだから、仕方ないのかもしれない」と落ち込む自分もいました。

でも怒られれば怒られるほど萎縮し、仕事は進まず、それでまた怒られるという悪循環。

夜、だれもいない静かな職場で一人残業し、泣きながら仕事をしていたこともありました。

みんなの前で大声で怒られると、恥ずかしさと情けなさで涙がこらえきれず、トイレで泣いたことも1度や2度ではありません。

ちなみに、この上司の行為がいわゆるパワハラにあたるのかどうか自分では判断しかねていましたが、同じチームで働いていた臨時職員さんから「あれは完全にパワハラだから」と言われたとき、どうしてか少し救われたのを覚えています。自分の気持ちをわかってくれる人が現れたような気がしたのだと思います。

もちろん、当時のわたしよりも遥かに過酷な労働環境に苦しんでいる方も大勢いらっしゃると思います。そういう方は特に「お前の考えが甘いんだよ」と思われたかもしれません。

でも、わたしにとっては我慢できる限度を超えている環境でした。

気付くと、食欲はなくなり、常に吐き気を感じるようになっていました。

朝、ベッドから起きだす体が鉛のように重い。思うように体が動いてくれない。

ご飯を口に押し込めてもうまく飲み込めない。食べられない。

話しかけられても声を出すのに一苦労。顔の筋肉はこわばり、プライベートでも笑うことは一切なくなりました。

そんなある日の朝、駅に向かって歩いているときふと車道を見て

「ここに突っ込んだら、もう職場に行かなくていいのかな」

という考えが頭に浮かびました。

「組織は人の命を奪える」ということを実感した瞬間です。

そしてそれは、「辞める」という選択肢がわたしの中に生まれた瞬間でもありました。

自分は困難から逃げようとしているのか?という葛藤

それでもすぐに、辞めるという決断ができたわけではありません。

新卒時に民間の就活をせずに公務員一本に絞っていたわたしは、自分が民間の会社に受け入れてもらえる自信がありませんでした(もともと、民間じゃどこも採用してくれないと思って公務員を選んだので)。

かと言って、もう一度公務員試験を受けなおすほど公務員の仕事に魅力を感じているわけでもない。でも、公務員より条件の良い民間に転職できる確率ってかなり低い気がする。。

「ここを辞めて、わたしはどうやって生計を立てていくのだろう…」という不安がまず頭に浮かんだのです。

でも、それ以上に葛藤したのが「わたしは嫌なことから逃げ出そうとしているのか?逃げたらあとで後悔するのではないか?」ということでした。

この困難を乗り越えてこそ、わたしは強くなれるのかもしれない。成長できるのかもしれない。

今辞めたら、わたしはあの嫌な上司に負けたことになるのか?屈したことになるのか?

このつらい時期が過ぎたら、いちおう安定した生活は保障されている。

未来の幸せのために、今は我慢するべき時間なのかもしれない…

そんな考えがよぎったのです。

わたしは何がしたいのか?仕事に何を求めているのか?を考えた

こんな風に葛藤を抱えつつも、毎日職場に行くのが嫌でたまらなかったわたしは、転職先のリサーチを始めました。

真っ先に考えたのは、「どういう会社に転職したいのか?」ということです。

仕事をしている中で、わたしは「ずっとここにいたら何かのプロフェッショナルには一生なれないかもしれない」と感じるようになっていました。

もちろん、公務員の仕事は幅広いですし、専門的知識を身に付けて活躍されている方もいることと思います。

ただわたしは、この職場の仕事を通じて何かを極めるのは難しい(仮にその「何か」があったとして、それはわたしのやりたいことではない)という考えに至っていたのです。

本心を押し殺し、やりたくないことを来る日も来る日もやり続けていつの間にか人生終了

という未来を想像してゾッとしたわたしは、「一刻も早く違う道を進まなければ」という強い思いを抱きました。

そして、次の仕事では「自分にはこれが出来ます」と自信を持って言えるスキルを身に付けたい、と思ったのでした。

じゃあどんなスキルを身に付けようか、と考えたとき、わたしには英語しかなかったのです。

英語のプロになろう、そう決めました。

退職は逃げじゃない。挑戦である。

そうして手さぐりで始めた転職活動。英語を使い、かつ自分にも出来るかもしれないと思える仕事を片っぱしから探していきました。

そして「ここだ!」と思う翻訳会社が1社見つかり、この業界の転職事情を知るために就職・転職支援会社に相談に行くことにしました。

そこで担当の方に言われたのは、

「翻訳未経験者の中途採用はかなり狭き門。100人に1人くらいの確率だと思いますよ」

とのこと…。

覚悟はしていましたが、実際に言われると少しひるみました。はっきり言って凹みました。

でも、「一度きりの人生だ、だめもとでできるだけのことはやってみよう」と気合が入りました。というか、そうするよりほかに選択肢がなかったのです。

それからは通勤時間や土日を使ってSPI対策(特に算数がきつかったです…)や翻訳の勉強を開始しました。

その中で気付いたことがあります。

それは、「退職は逃げじゃない」ということです。

なぜそう思ったかというと、働きながらの転職活動が想像していたよりしんどかったからです。

平日は帰宅が大体23時過ぎ~0時頃であまり勉強が進まなかったのと、転職試験は平日なので筆記試験・面接試験合わせて4回ほど日程調整しないといけなかったのです。

転職試験はタイトなスケジュールで進んでいくので、急に休暇を申し出ざるを得ないのがすごくストレスでした。だって、業務が山のようにあるのはもちろんのこと、直属の上司に申請しないといけないからです。休日サービス出勤を推奨するような人に「今週末休ませてください」とか言うの、想像しただけで恐ろしかったですね。

実際、どうしても業務の都合上休めない日に当たってしまった日は、面接の日程変更をお願いしたこともありました。わたしは転職活動のほうを優先したいのに、それを貫ききれないもどかしさ、迷惑をかけているという後ろめたさ、心象が悪くなったら嫌だなという不安。

いろんなことを感じながら、ふと「こんなにキツい思いしてるのに、逃げてるなんてありえない。逃げっていうのは、今いる場所から離れる勇気を出せず、現状に甘んじて悶々とすることなのではないか」と思ったのです。

この転職活動はなりたい自分になるために起こした行動であり、挑戦にほかならない。

そう確信することができ、転職への迷いや後ろめたさが消えたのでした。

長々とお話ししてきましたが、わたしがお伝えしたいことはとてもシンプルです。それは、

仕事を辞めること=逃げることではない。現実から目をそらさず、自分の本音と人生に正面から向き合うからこそできる決断であり、自らが持つ可能性への挑戦である

ということ。

他の人が何といおうと決して惑わされないでください。自分の頭で未来をシミュレーションしてみて、「このままじゃ嫌だ」と思ったなら迷わず違う道への一歩を踏み出してください。

わたしもいろんな方に「もったいないよ」「辞めなくたっていいんじゃないの?」と言われました。退職を切り出した際、上述の上司には「公務員が務まらない人間が民間でやっていけるわけないよ。社会ってそんなに甘い場所じゃない。あなたは世の中のことが全然わかっていない」等と散々な言われようでした。

でも、自分の人生に責任を持てるのは自分だけです。だから、大事な決断であればあるほど自分を100%信じ切ってあげましょう。重要な場面で人の意見に左右されるというのは、自分の人生をその人に売るようなものです。それくらい非常に危険な行為なのです。

ちなみにわたしは、公務員を辞めて後悔したことはこれまで1秒たりともありません。強がりでも何でもなく、この決断をきっかけに自分の人生がどんどん”あるべき姿”へと動き出しているのを感じています。むしろあのまま公務員を続ける人生っていうのが今では想像できないくらいです。

この記事が、今の仕事を辞めたいけどどうしようかな…と迷っている方の背中を少しでも押せたら嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。